位牌の選び方 【更新日】
お位牌の大きさはお仏壇スペースだけでなく故人のタイプや遺族との関係性でも変わります
お位牌の購入を考えている時、まず初めに思いつくのは大きさのことでしょう。
「故人のイメージに合った大きくて立派なお位牌を用意してあげたい…」と、お考えの方もいるかもしれません。
ですが、実はお仏壇に祀るお位牌の大きさについては、いくつか注意するべきポイントがあるのです。
新たに安置するお位牌は、お仏壇の空いている供養スペースだけではなく、どうやらご本尊やご先祖様のお位牌の大きさも考慮して選ばなければならないようです。
更に、故人がご夫婦だったり、幼い子供の場合にもお位牌の大きさは変わると言います。
お位牌というのは、一体どれくらいの大きさのものが一般的なのでしょうか?
基準の大きさを知っておくと、購入の際にあまり迷わなくてすみますね。
本記事では、お位牌の具体的な大きさや、購入する際に注意しなければいけない点に関してご紹介します。




目次
初めて購入するお位牌の大きさはお仏壇のサイズやご本尊とのバランスを考えて決めましょう
初めてお位牌を購入する際には、お仏壇の大きさやご本尊の大きさから考えて大きさを決める必要があります。
購入後にお位牌が大きすぎて、お仏壇に収まらないというケースは絶対に避けたいところです。
それに加え、お位牌はお仏壇の中心であるご本尊よりも高くならないように注意するということも重要なポイントとなります。




お位牌はお仏壇の大きさに合わせる
お仏壇の主役はご本尊や位牌です。
本来はご本尊やお位牌の大きさに合わせてお仏壇のサイズをきめたいところです。
しかし実際のところ現在の住宅事情では、ご自宅のスペースに合わせてお仏壇サイズが決まり、それに合わせた大きさのご本尊やお位牌を購入される方が多いです。
そのため、お位牌を購入する場合は寸法をしっかりと測り、お仏壇の内寸に合ったものを準備しましょう。
また、宗派や地域によるお位牌の大きさの違いはありません。
ただし、浄土真宗の場合、お位牌は使用しませんので注意が必要です。
お位牌の大きさはご本尊より小さく
お仏壇においてご本尊は、最も大切な信仰の対象として安置されるものです。
ですから、お位牌はご本尊より高くならない大きさにする必要があります。
ご本尊が仏像の場合は仏像光背を含めた全高よりもお位牌を低く、ご本尊が掛軸の場合は掛軸表具の全高よりも低くする必要があります。
故人のお位牌の大きさはご先祖様のお位牌よりも小さいものを選ぶ
お仏壇には、1人の故人だけではなく先祖代々の故人のお位牌が並べられます。
一般的にお位牌は、三十三回忌や五十回忌の後に故人として祀られ、その後はご先祖様のお位牌と合祀され「○○家先祖代々の霊位」という形にまとめられます。
このように先祖位牌場となっている場合でも、曾祖父母のお位牌でも、新たに安置される故人のお位牌はご先祖様のものより小さくするというのが一般的です。
これは供養の際に子孫のお位牌の方を立派にすると、ご先祖様が嫌がるだろうという配慮からです。
ご先祖様の位牌を10とすると、故人のお位牌は7くらいの大きさで考えて作るケースが多いです。
しかし、故人への気持ちは家庭によって大きく異なるものです。
ご家族が強い思い入れをもっていたり大きな功績を残した故人に対して、ご先祖様のお位牌と同じか、より大きな位牌を選ぶということもあるようです。
夫婦位牌や幼い故人のお位牌の大きさは変わります
ご夫婦だったり、幼くして亡くなった方のお位牌の大きさについても配慮が必要です。
ご夫婦のお位牌
ご夫婦のお位牌は、以前は男性のお位牌を女性のものより少し大きく作るというのが一般的でした。
しかし近年では、夫婦のお位牌の大きさを同じにする家庭が増えています。
別々にお位牌を作るのではなく、ご夫婦の2つの位牌を1つにまとめて「夫婦位牌(めおといはい)」とされる人もいます。
夫婦位牌の場合は、お位牌の表右側に夫の戒名、左に妻の戒名を文字入れするので少し大きい「巾広位牌」を使います。
ご夫婦が夫婦位牌にすることを望んでいた場合は、夫と妻のどちらかが他界した際に、最初から片方のスペースを空けておくこともあります。
しかし、通常は初めに1人分のお位牌を作って祀り、もう片方が他界した際に夫婦位牌としてまとめます。
幼い故人のお位牌
幼くして亡くなられた方のお位牌には、小さいサイズを選ぶのが一般的です。
また水子の場合はさらに小さく、ご先祖様のお位牌と比較すると一回り程小さなお位牌となります。
大きさだけでなく、お子様用に販売されているお位牌は非常に種類も豊富で、クリスタル製のものやフォトフレームのようなものもあります。
しかし日々のご供養するお位牌には、やはりオーソドックスのものの方がお祈りに差し支えがないかもしれません。




一般的なお位牌の大きさは3.5寸~4.5寸で、サイズは総高も見て選びます
それでは、実際のお位牌のサイズについてみてみましょう。
お位牌の大きさはセンチ単位ではなく「寸」という指標を用いて測られます。
また、大きさはお位牌の札サイズだけでなく総高と言われる全体の大きさを見ることが重要となります。
お位牌のサイズを測る単位「寸」
お位牌の大きさを測る単位は「寸」で、1寸は3.03cmとなります。
お位牌は3.5~4.5寸のものが使われることが多いのですが、それをセンチで言うと約10.5cm~13.5cmとなります。
小さめの2.5寸のお位牌の大きさは約7.5cm、大きめの8寸のお位牌ですと約24cmのサイズとなります。
一般的なお仏壇のサイズですと8寸のお位牌は安置できない可能性があるので、大きめのお位牌の購入をお考えの際には、初めにお仏壇の大きさを確認するといいでしょう。
お位牌は総高で考える
お位牌は札板の部分と台座の部分に分かれているのですが、通常「位牌の大きさ」と言う時は、あくまで札板の部分の大きさだけを表しています。
お位牌を購入する際には、台座も含めたサイズである「総高」を確認する必要があります。
台座のサイズは大きい場合は約2.5cmほどです。
その場合は3.5寸の札板の場合でも、お仏壇に祀る時には約4.5寸の大きさになるので、総高には充分に注意してお位牌の大きさを決めるようにしましょう。
この記事では、お位牌の大きさについてご紹介しました。
新たに購入するお位牌の大きさに悩んでいる場合には、お仏壇やご本尊、そして現在お仏壇に祀られている他のお位牌の大きさから考えて決めるのがいいでしょう。
お位牌とは、故人の象徴となるものです。
大切な方を亡くされた時、ご遺族が立派なお位牌で故人を供養してあげたいと思うのは自然なことだと思います。
ただ故人への思いは、お位牌の大きさや値段などで表されるものではありません。
愛する方のイメージにぴったりのお位牌を祀って、毎日語りかけてあげることこそが大切なのだと思います。