仏具の選び方 【更新日】

仏具の磨き方は素材によって変わりますが真鍮製は小まめに磨きましょう

仏具を磨く

お盆の前にはご先祖様をお迎えする準備として仏壇掃除をする方が多いです。
年の暮れにも新年を気持ちよく迎えるために大掃除をしますよね。

大掃除の時にはご本尊、お位牌、仏具を全て外に移してから仏壇をきれいにします。
その時、仏壇から出した仏具も丁寧にお手入れをします。毎日使ってると、当然仏具もサビたり汚れたりしているはずです。

しかし、この仏具の磨きというものは意外とやっかいで、仏具の素材や仕上げの種類によってお手入れ方法が変わり、磨きができる仏具とできない仏具があるのです。

誤った方法で磨くと仏具を傷つけてしまう可能性があります。
大切な仏具ですから、正しい磨き方を知っておいた方がいいですよね。

それでは、今回は仏具の磨き方について詳しく解説いたします。

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仏具の磨き掃除は定期的に、普段から小まめな掃除を心がけましょう

仏具は定期的にこまめな掃除を

普段から仏壇や仏具の掃除が大切

年に何度も大がかりな掃除をするというのは、時間もかかって大変です。

普段から簡単なお手入れをしておけば仏壇や仏具は長持ちしますし、大掃除の時に楽になります。

仏壇や仏具に付いたホコリや汚れを見つけたら、すぐに掃除をする習慣を身につけておくといいでしょう。

仏具とお供え物の管理

仏壇や仏具を長持ちさせるためには、常に仏壇周りをきれいに保つようにしましょう。
特に五供(ごくう)に使う仏具は毎日のお供え物に使うので、小まめな管理が必要です。

香炉

香炉からこぼれ落ちた線香の灰は、すぐに掃除します。

陶器 九谷焼銀彩 ほのか  ピンク 香炉(丸香炉) 店舗一覧実物確認

花立

花立は小まめに洗い、落ちた花びらや葉なども見つけたら処分しましょう。

銅器 青葉型 コハク 花立(花瓶)3.0寸 店舗一覧実物確認

火立

ローソクや線香の油煙がこびりついてしまったら、ロウ取りスプレーや仏壇専用クリーム等を使ってやさしく磨きましょう。

茶湯器・仏飯器

お供え物を取り替える時に、水で洗うか汚れを拭き取ります。
特にご飯を入れる仏飯器は清潔に保つようにしてください。

高月・供花・段盛など

お供えのお菓子や果物を入れる器や台も小まめな掃除が必要です。
お供えの食べ物は長期間置きっぱなしにせず、虫などに食べられる前に下げましょう。

仏具磨きの準備には布手袋やマスクをご用意ください

仏具磨きの際には布手袋やマスクの着用を

仏具磨きの前に

仏具だけではなく仏壇の大掃除する場合は、まずは仏様に手を合わせて大掃除が始まることを伝えてから、ご本尊やお位牌そして仏具を全てテーブルや新聞紙の上に移動します。

掃除が終わった後に仏具を戻す位置が分からなくなると困るので、事前にスマホなどで写真を撮っておくと便利です。

仏具だけを磨きたい場合は、ひとつひとつ仏壇から取り出して磨きます。

仏具磨きの装備

仏具を掃除する時には、布手袋やマスクを身に着けましょう。
手袋をしていれば仏具に皮脂や水分、指紋を残すこともなく、磨き剤や洗剤の使用による手荒れや金具によるケガも防げます。

さらにマスクを着用しておけば、掃除中にホコリを吸い込んだり、湿気を含んだ息が仏具にかかるのも回避できます。

準備ができたところで、実際の仏具のお手入れ方法を見ていきましょう。

ガラスや陶器の仏具に磨きは不要です、洗剤で洗い水滴を残さず拭き取ります

ガラスや陶器の仏具に磨きは不要です

それでは、仏具の磨き方の手順を紹介したいと思います。

仏具には様々な材質のものがあり、その材質によって使用できる磨き剤やお手入れの仕方が異なります。
ですから、仏具のお手入れをする前にその素材を知って置かなければなりません。

ガラスや陶器

ガラスや陶器製の仏具は、その見た目や質感でわかるので問題がないでしょう。
これらは水洗いが可能なので楽にお手入れができます。
毎日洗っていれば、容易にきれいな状態を保つことができます。
もし目立つ汚れがある場合でも、食器用洗剤などを使って洗えばすぐにきれいになります。
洗った後は、水滴の痕が残らないようにしっかりと乾拭きしましょう。

金物の仏具

金物の仏具はほとんどが真鍮製の鋳物ですが、実はその仕上げの方法は大きく3種類に分かれていて、それぞれお手入れ方法が異なります。
しかしその違いは素人が見てもよく分かりません。

特に真宗大谷派の金仏具の材質は、真鍮製かアルミ製かメッキ加工かの判断が難しいので、仏具店などに相談するといいでしょう。

真鍮製の仏具の磨きは定期的に行います、素材がわからない時は仏具店へ相談

真鍮製の仏具の磨きは定期的に。素材がわからない時は仏具店へ相談

真鍮製の仏具の特徴

真鍮素材の仏具の良さは、年を経るにつれて味わい深い色へと変化していくところです。

仏具は真鍮をはじめ金属製のものが多いのですが、難点は皮脂などの汚れが付きやすく、使っていくうちに酸化によって光沢が失われ、黒ずんだ色になってきてしまうことです。

緑青のサビのようなものが出てくることもあり、そうなると水で洗っても落ちなくなりますので、少々手間がかかっても、仏具磨きはできるだけ頻繁に行いましょう。

リンの素材は?

よくある疑問ですが美しい音色をだすために、リンには真鍮が使われていることが多いです。
そうなると真鍮用の磨き剤を使いたくなりますが、中には表面がコーティングされていたり模様が施されているリンもあり、その場合は磨き剤が使えません。

リン以外の全ての仏具について言えることですが、素材がはっきりしないとそのお手入れ方法も分かりません。
できればリンを仏具店に持っていって素材を見てもらい、使用できる磨き剤を確認してもらうのがいいと思います。

鳳雲リン(磨き) 店舗一覧実物確認

真鍮製の仏具の磨き方は酢を使うやり方や磨き剤を使う方法があります

真鍮製の仏具の磨き方

通常の真鍮製の仏具のお手入れは乾拭きですが、磨きの時には酸や研磨剤などを使います。
磨く時の布は数枚用意しておくといいでしょう。

真鍮製の仏具の磨き方

ご家庭にある物でお手入れする場合

真鍮を磨き上げるには酸が効果的なので、ご自宅にある料理用の酢や掃除用のクエン酸パウダー、酸性洗剤などを使って仏具磨きができます。

1.酢を溶かしたお湯に仏具を浸けサビを落とします
2.いったん水ですすいだ後、布やキッチンペーパー等で仏具の汚れを磨きます
3.汚れが落ちたら再びすすぎ、最後に乾いた布でよく拭き取ります

仏具専用の洗浄剤や磨き剤などを使う場合

これらは仏具店やネットショップなどで購入できますがお手持ちの仏具に市販の磨き剤が使えるかどうか不安な時は、仏具店で確認して専用クリーナーを買うことをお勧めします。

なかなか黒ずみが落ちない時には、サビ落とし液などを使ってから磨きます。
何年も放置して明らかにくすんでいるような仏具は、浸け置くタイプより、布でこする磨き剤の方が落ち良く、専用の艶出し剤を使えば更に輝きを取り戻せます。

塗りやメッキ加工の仏具に磨き剤は厳禁です

塗りやメッキ加工の仏具に磨き剤は厳禁です

ひとくちに真鍮の仏具と言っても様々で、色付された仏具やメッキ加工をされた仏具もあるので注意が必要です。

繰り返しになりますが、材質や加工がはっきりしない場合は、仏具店へお手持ちの仏具を持って行って確認しましょう。

塗り(色付き)の仏具のお手入れ

真鍮の仏具には「宣徳色(せんとくしょく)」と呼ばれる黒っぽい色をしたものがありますが、これは真鍮に漆を塗ってから、焼きつけをしたものです。

このような着色された仏具に磨き剤を使うと色落ちの原因になります。
酢や磨き剤は使わずに乾いた布でお手入れします。

1.仏具の表面を傷つけないように、柔らかい布で軽く乾拭きします
2.しつこい汚れは、固く絞った布で水拭きした後すぐに乾拭きします
汚れがひどい場合は、お湯で温めてから拭くと、汚れが落ちやすくなります。

メッキ加工の仏具のお手入れ

メッキ加工がされた真鍮も、メッキがはがれ落ちてしまうので磨くのは厳禁です。
お手入れ方法については、塗りの仏具と全く同じ方法で問題ありません。

仏壇や仏具は日頃からのお手入れが大切です。
特に真鍮製の仏具は、放っておくとどんどん変色して劣化してしまいます。

ただ、忙しい日々の中で仏壇のお手入れや仏具磨きをするのは、少し大変かもしれません。
仏具磨きの時間がとれなかったり磨き方に自信がない方は、仏具店や専門の業者に相談してみるのもいいかもしれません。

何より大切なのは、仏様やご先祖様を祀る仏壇や仏具を美しく保ちたいという気持ちです。

この記事を書いた人加藤 佑人

お仏壇を納品した時に、お客様からいただく感謝のお言葉が励みになります。
沢山のお仏壇購入をお手伝いさせていただいております。お客様のために、私が出来ることを全力でご提案いたします。
1981年、4月生まれ。
2013年、箕面店店長に就任。
2015年、関西地区エリアマネージャーに就任。
2017年、一宮店店長に就任。
2018年、東海地区エリアマネージャーに就任。
趣味:ライブに参加すること
資格:仏事コーディネーター

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