仏壇の選び方 【更新日】

仏壇で仏花を美しくひきたててくれる花瓶の選び方

仏壇と花瓶

仏壇の花瓶は「花立(はなたて)」とも言い、仏前に花を供えるための器です。仏前に飾るお花「仏花(ぶっか)」は毎日のご先祖様や故人の供養に欠かせない大切なものです。

花供養の主役は「仏花」ですが、花瓶によって花の見栄えや仏壇全体の印象は変わってきます。
しかし、仏壇で仏花をひきたてる花瓶とは、何を基準に選べばいいのでしょうか?

仏壇に置く花瓶のサイズ、素材、色、デザインなどは実に様々です。最近はモダン仏壇が主流になり、仏具のバリエーションも更に豊富になってきています。それぞれの特徴を見ながら、仏壇に相応しい花瓶を探してみましょう。

ただ仏具は宗派によっての違いがあるので、自分の宗派の花供養の作法を確認しておく必要はあります。

ここでは、仏壇に適した花瓶の大きさ、素材、色、デザイン、仏花の種類の選び方、そして仏壇で仏花をひきたててくれる花瓶をご紹介します。

店舗一覧実物確認店舗一覧実物確認

仏壇に置く花瓶のサイズは仏壇のタイプや使用する仏具によって決めましょう

仏壇

花瓶のサイズを決めるの時のポイントは仏壇の大きさです。
昔ながらの唐木仏壇ならいいですが、ミニ仏壇や供養台の場合は幅や奥行き、高さがコンパクトに抑えられています。仏壇には花瓶以外にも様々な仏具が置かれます。
小さめの仏壇はスライド式仏具板などを供えている物が多いので、花瓶の他にどんな仏具を置くのかをイメージして、限りある設置可能スペースを有効的に使いましょう。

花瓶は、香炉やロウソク立てと並ぶ「三具足(みつぐそく)」のひとつで「花供養」のための大切な仏具です。
浄土真宗系以外の宗派では、三具足を使う時は左に花瓶、中央に香炉、右にロウソク立てを置きます。
法要などで「五具足(ごぐそく)」を使う場合は、中央に香炉、その両脇に1対のロウソク立て、更に外側に1対の花瓶を配置します。

ですから花瓶を1つだけ置く三具足にするのか、対に置く五具足にするのかで選ぶ花瓶の数とサイズ感は変わってきます。
基本的に三具足でも五具足でも仏具は同じ段に横一列に並べて置くので、その分の横幅を考えながら花瓶を選ぶ必要があります。

仏壇の花瓶には、3本、5本、7本のように奇数の仏花を飾るのが一般的です。
仏花は背の高い花を1本中心に置き、残りの花はひし形を形作りながら入れます。
ですから仏花を生けた花瓶は、普通に花を生けた花瓶よりも置く場所の高さが必要になるのです。

花瓶のサイズは仏壇の幅、奥行き、高さ、そして配置する仏具の数や大きさを考えて決めるといいでしょう。

仏壇で使う花瓶の素材はアルミ、真鍮、陶器のものが多いです

花瓶

花瓶に使われる素材は陶器、アルミ、真鍮、木製、PC素材、ガラス、クリスタルなど様々な物が販売されています。それぞれに長所短所があるので、その特性を見てみましょう。

最もよく目にする陶器製の花瓶は品質も価格も幅が広いです。
種類が豊富で安価の量産品から九谷、有田、新楽などの高級焼き物シリーズまで販売されているので、予算に合わせた好みの花瓶が見つけやすいでしょう。

アルミ素材は耐久性に優れ変色にも強いので花瓶向きだと言えるでしょう。
軽量でお手入れ簡単、価格の安さも利点です。
質感を活かしたシンプルかつデザイン製の高いアルミ製仏具は、モダン仏壇にもピッタリです

本格的に祀りたい時には、高級感のある真鍮製の花瓶がお勧めです。
重厚感があり、特に唐木仏壇や金仏壇によく馴染みます。
ただ、真鍮製の仏具は黒ずみや腐食が発生しやすいのでマメにお手入れする必要があります。

木製の仏具は温かみも感じられて味があるのですが、花瓶となるとお手入れは若干面倒です。
使うのなら伝統的な木の仏壇より、モダン仏壇のアクセントとして使うのがいいかもしれません。
木製の材質は唐木や銘木などで作られた花瓶がいいでしょう。

プラスチック製は扱いやすく低価格という利点がありますが、よく見極めて選ばないと仏壇に高級感が欠けてしまいます。
質の悪い花瓶を置くと仏壇に傷がつく可能性もありますし、仏壇はお寺を模した物なのでそれに相応しい仏具選びは大切です。

ガラスやクリスタル製の花瓶はデザインによって値段も様々です。
オシャレで上品に見えますが、短所としては割れ物の上、透明なので汚れが目立ちやすい事です。

値段や扱いやすさだけで選ぶのではなく、その素材の質感がお仏壇に馴染むかどうかも大事なポイントです。

優九谷焼 箔ちらし 花立(花瓶)10号 店舗一覧実物確認

仏壇に置く花瓶の色は仏壇や仏花と調和させましょう

仏壇と花

仏壇の花瓶を買う時に最も難しいのは、色の選択かもしれません。
なぜなら花瓶の色、花瓶に入れる花の色、花瓶を置く仏壇の色の3つの色の調和を考えなければならないからです。

素材と同じように花瓶の色も様々で、特にモダン仏具においては全ての色の花瓶があると言っても過言ではありません。
モダン仏壇にはどんな色の花瓶でも合わせやすいのですが、モダン仏具だと伝統的な仏壇には少し違和感のある色の花瓶もあるかもしれません。

伝統型仏壇には、やはり
「黒・黒壇系」黒光色や鍋長色(なべちょういろ)
「赤・紫檀系」赤や紫
「磨・金系」磨色、金色
など昔ながらの仏具の色がしっくりきます。

大体の宗派では花瓶の色に決まりはありませんが、浄土真宗本願寺派は主に黒い仏具、真宗大谷派では磨色や金色の仏具を使用する等ありますので、菩提寺などに確認しておくといいでしょう。

仏壇の花瓶のデザインも仏壇や仏花とのバランスが大切です

ガラスの花瓶

仏壇に使う花瓶のデザインも、宗派による決まりは特にありません。

花瓶のデザインを選ぶ時は、仏壇のデザインがシンプルなのか彫り物の多いものなのかがポイントになります。
その上で全体を落ち着いた雰囲気にしたいのか、豪華な印象にしたいのかを考えます。
凝った造りの仏壇に凝った造りの仏具を合わせ過ぎると、荘厳さが損なわれてしまう可能性があるので注意しましょう。
モダン仏壇に合わせる場合はコントラストを楽しむのもいいと思います。

選ぶ仏花の種類によっても花瓶のデザインは変わってくると思います。
一概には言えませんが、基本的にリンとした花には筒型、可愛らしい花には口がすぼんだ小さめの物、大きな花には壺型、広がった花や常花には広口の花瓶が合わせやすいようです。

お正月や法要の時にはいつもより華やかに仏花を供える事もあると思います。
その時は口が広めの安定感のある花瓶を使うといいでしょう。

仏壇の花瓶に供える仏花には、白・黄・紫の生花か常花がよく使われます

仏花

仏壇の花瓶に飾る花も、宗派等による決まり事はほとんどありません。
ただ色については、四十九日までは白か淡い色の花を飾るのが一般的です。

花屋などでよく見かける仏花は、白、黄、紫の3色を組み合わせた花束ですが、菊、カーネーション、ゆり、百日草など年を通して手に入る花も仏花としてよく使われます。
仏花の種類に明確な決まりはないので、故人が好きだった花を飾ったり、季節の花を楽しむのもよいでしょう。

ただ、仏壇に飾るのに適さない種類の花というものもあります。
仏花で禁忌とされているのは「トゲや毒がある」「香りが強い」「ツタを巻く」という特徴を持つ花です。
お手入れやアレルギー等の点を考えると「傷みやすい花」や「花粉の多い花」も避けた方がいいかもしれません。

仏花は水替え等のお手入れが大変なので、仏壇に毎日生花を供える方は減ってきています。
最近は造花や、蓮の花を模ってアルミや真鍮で作られた「常花(じょうか)」、水分を抜き特殊処理した「プリザーブドフラワー」等も仏花として豊富に売られています。

生花はたとえ毎日お手入れしても数日しかもちません。
「枯れない花」は衛生的でアレルギー問題もなく、毎日の水替えの必要もない上に経済的にも助かる、という理由で最近人気が高まっている仏花です。

仏壇を荘厳に見せる花瓶をご紹介

仏壇に飾る花瓶は様々なタイプの物がありますが、ここではお仏壇を荘厳(美しくおごそかに飾ること)に見せる美しい花瓶をご紹介します。

地花立 みがき 2.5寸~5.5寸

仏壇に供える花瓶

浄土の象徴である光り輝く金色と洗練されたデザインで、存在感のある花瓶です。
天に向けて美しく広がった形状は安定感もあり、枝葉の広がる花を生けるのに最適です。
「永遠に咲き続ける花」常花との相性も抜群で、みがきの色合いが金蓮華の華やかな金色と美しく調和し、更に雅やかに輝くでしょう。
色は他に国光色のものがあります。

商品詳細 仏地花立 みがき 2.5寸~5.5寸 店舗一覧実物確認

仏壇に供える花瓶には、宗派による厳密な選び方はほとんどありません。
ただ、仏壇と仏花と花瓶の相性やバランスは大切です。
仏壇のサイズに合った大きさや高さ、仏壇の質感に合った素材、仏壇のタイプに合った色やデザインの花瓶を選ぶのは意外と難しいものです。
最近よくある仏壇と仏具のセット販売を利用すれば、選ぶのに頭を悩ませる必要はないかもしれません。

しかし、花瓶はお仏壇を華やかに彩り故人を供養するという重要な仏具です。
「飾る仏花の色や種類によって、花の美しさをひきたてる花瓶を選ぶ事」も手間ではなく、楽しみと感じていただけると良いと思います。

仏具によってお仏壇のイメージは大きく変わります。
素敵な花瓶に素敵な仏花を飾って、花供養にお使いください。

この記事を書いた人加藤 佑人

お仏壇を納品した時に、お客様からいただく感謝のお言葉が励みになります。
沢山のお仏壇購入をお手伝いさせていただいております。お客様のために、私が出来ることを全力でご提案いたします。
1981年、4月生まれ。
2013年、箕面店店長に就任。
2015年、関西地区エリアマネージャーに就任。
2017年、一宮店店長に就任。
2018年、東海地区エリアマネージャーに就任。
趣味:ライブに参加すること
資格:仏事コーディネーター

こちらのコラムについて
何でもお気軽におたずねください

他にご不明な点等ございましたら、
ボタンよりお問い合わせくださいませ。

  お問い合わせ

こちらのコラムについて
何でもお気軽におたずねください

他にご不明な点等ございましたら、
ボタンよりお問い合わせくださいませ。

  お問い合わせ